1. ホーム
  2. 事例・アワード
  3. ビジネスチャンスの拡大のみならずリクルーティング効果も狙った“ファクトリープレスツアー”
  • 富士電装株式会社

ビジネスチャンスの拡大のみならずリクルーティング効果も狙った“ファクトリープレスツアー”

「ものづくりのまち」東大阪に開設した新塗装工場  ビジネスチャンスの拡大のみならずリクルーティング効果も狙った“ファクトリープレスツアー”

約5,500の事業所が集積(※1)し、全国でもトップクラスの工場数をほこる「ものづくりのまち」東大阪。この地で1949年に創業した富士電装株式会社は、産業用設備機械のメラミン焼付塗装(※2)を主軸に多種多様な塗装を手がける専門集団として、幅広い産業ニーズに応えてきました。

(※2)メラミン焼付塗装=メラミン樹脂を主成分とした塗料を塗布したのち、20-40分加熱することで、塗膜を硬化させる塗装

ところが、コロナ禍の影響で建設資材関連や自動車部品をはじめとする金属加工業において、塗装の発注が激減。回復の兆しが見えないまま価格高騰による製造コストの増加などの要因によって、厳しい状況が続くことが予想されていました。

このような環境下でも事業を再び上昇軌道に乗せるため、同社では起爆剤として新たに最新鋭の塗装工場を建設し、2024年1月より稼働を開始。その新塗装工場のPR活動について、オズマピーアールがご依頼をいただいたのが、工場完成が差し迫った2023年12月初旬のこと。早急に打ち合わせ・提案を行い、工場オープンに向けてのPR施策に取り組みました。

【問い・提唱】

町工場・塗装業のイメージを変えるコミュニケーション

約5億円を投資して誕生させた富士電装の新塗装工場は、生産機能・能力の拡充にとどまりません。今回のPR・コミュニケーション上のゴールは、単に工場開設の認知を獲得することではなく、新塗装工場開設を機に新規需要の拡大と人材採用を活性化させること。そこで、工場の特徴や新設の目的を明確に伝え、効果的な情報発信につなげるために、以下のような問い(=課題)を設定し、発信すべき情報を組み立てていきました。

●なじみの薄い塗装業の基礎情報と、新工場の付加価値を編集

BtoB企業である富士電装は一般的な知名度が低く、専門技術である金属塗装についても、なかなかイメージしにくい分野といえます。今回の新塗装工場のPR活動においては、そうしたイメージしにくい部分をいかに明解にし、この業界のことを詳しく知らない大多数の人の理解を得るための一種の“翻訳作業”が大切と考えました。事前の工場見学やヒアリングを重ねて、富士電装や塗装技術の説明はもちろん、新工場に設置した「関西最大級の乾燥炉」によって、長さ6mを超える大型部品の塗装を可能にしたことや、「密閉式ブースによる無埃状態での塗装装置」によって半導体装置など精密機械の塗装も可能にしたことなどが、事業上どのようなインパクトをもたらすのかなど、新塗装工場の特徴をわかりやすく整理することが重要であると考えました。

●町工場や塗装業が持たれがちなマイナスイメージを払拭

一般的に、町工場・塗装業は、“職場環境が過酷である”“汚れて当たり前である”といったマイナスイメージがつきまといがちです。そうしたイメージが新規採用を難しくさせている要因にも。そこで、新工場に設置されたキッチンを備えた食事・休憩スペースやシャワールームなど、従来の町工場のイメージを変える洗練された共有スペースや働きやすい環境づくりへの取り組みを最大限に紹介することで、今後の人材獲得につなげることが重要であると捉えました。

●コロナ禍で苦境を迎えた町工場再生に向けた若手リーダーの想い・リーダーシップを発信

モノづくりの現場において、若手の育成や後継者問題が深刻化している現代。東大阪においても、未来に向けた取り組みが必要とされています。同社では、2020年に常務に就任した宮田圭氏のリーダーシップのもと、子育て世代の支援や社員家族同士の交流などに積極的に推進。持続可能な町工場のあり方を目指す富士電装の積極的な取り組みを伝え、企業イメージの評判向上に繋げることを企図しました。

写真右:富士電装株式会社 宮田圭常務

【提唱・巻込】

さまざまなメディアに工場の魅力を体感してもらい、より深い理解と共感を獲得する

「町工場のあたりまえを変える最新鋭塗装工場」と銘打って
工場の特徴や魅力を体感できる「ファクトリープレスツアー」を実施

メディア各社に実際に工場を見学してもらい、最新鋭設備をはじめ洗練された共用スペースなどを体感することで、従来の町工場のイメージを実感。それぞれのメディア・記者の視点から、東大阪や町工場としての挑戦や可能性を発信してもらう機会をつくりました。

プレスツアーの実施に伴い、各メディアに配布するブリーフィング資料を作成。本記事上述の【問い・提唱】に記載したような視点で企業に関する基本情報や塗装に関する基礎知識をはじめ新塗装工場の開設の背景や設備概要などを整理し、プレスツアーでの理解促進をサポートしました。

【まとめ】

2023年12月にご依頼を受け、2024年1月下旬のプレスツアー開催日まで、年末年始をはさんで約1ヶ月の準備期間しか残されていなかった本プロジェクトですが、クライアントと共にスピーディに企画・準備を進めていきました。結果、プレスツアーには、経済紙・大手紙の支局記者、業界紙、民放テレビ局など約10社が参加。「今後需要が伸びそうな半導体分野をはじめ、高付加価値塗装が可能に」と、経済的価値に焦点をあてた記事のほか、「働く人が居心地の良い環境をつくることで、新規募集の求人が増加」と、昨今社会問題になっている人材不足の面からも新塗装工場がもたらす効果についても報道されました。

【プロジェクトメンバー】

リレーションズデザイン本部 5部
藤本 正太 福村 知佐子  久保田 敦

写真右:富士電装株式会社 常務 宮田圭様
写真左:リレーションズデザイン本部 5部 関西オフィス 藤本 正太
富士電装株式会社 常務 宮田圭様

新工場を建設稼働させることにより「①当社で働きたい人を増やすこと」、当社としても大きなチャレンジをした新設備の注目度を高め「②新規受注を増やすこと」、従業員が誇りに思ってもらえるような「③社会的地位の向上」、3点を目標としていました。おかげさまで、企画いただいたプレスツアーには多くのメディアに参加いただくことができ、いくつか反響もいただいています。まず、①ですが、当社で働きたいという問い合わせを多数頂戴しており、すでに数名の方と面接をさせていただきました。また、②では今回のメディア露出を見たという取引先から新規で受注をいただくことができました。さらに③は普段あまりお付き合いのない同業他社から「あのPRはどうやったのか?」と問合せが来るなど当社のプレゼンスが向上したことを実感しています。これは、オズマピーアールによる社会課題・トレンドに合わせたPRの力によるものだと思います。

リレーションズデザイン本部 5部 関西オフィス 藤本 正太

「このままでは、東大阪に若い職人がいなくなってしまう」最初に宮田常務にお会いしたとき、職人を目指す若者をもっと増やしたいという熱い思いに共感したことを思い出します。そのお話を伺った次の週には、新工場が稼働するというタイトなスケジュールでした。しかし、稼働直前の新工場を拝見し、その町工場が持つ従来のイメージからかけ離れた内装や設備に、「これは短い時間ではあるが十分にその魅力を伝えることができる」と手ごたえを感じました。新工場が「顧客」にも「従業員」にも満足してもらえるよう考えて造られていたからこそ、宮田常務の熱い思いがそのままメディアへ伝わったのではないかと思います。

お問い合わせ

pagetop